こんにちは!さいたま市中央区の行政書士、くりはらです!
建設工事の請負契約を締結するにあたっては、見積金額を適正に見積る必要があります。
この見積金額の算定にあたっては、元請業者に【見積条件の提示】と呼ばれる義務が課せられています。
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今回は、この「見積り条件の提示」についてです。
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【見積り条件の提示】とは
建設業法では、元請負人は、下請契約を締結する以前に、一定の事項を下請負人に提示し、その後、下請負人が当該下請工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けることが義務付けられています。
これを「見積り条件の提示」と呼び、下請負契約が適正に締結されるために、元請業者が下請業者に対して、あらかじめ契約の重要な事項を提示して、適正な見積り期間を設け、見積落し等が発生しないように見積内容を検討する期間を確保することで、適正な見積り金額の算定や請負契約の内容の検討をすることができるように配慮しています。
元請業者が提示しなければならない見積条件
- 工事名称
- 施工場所
- 設計図書(数量等を含む)
- 下請工事の責任施工範囲
- 下請工事の工程及び下請工事を含む工事の全体工程
- 見積条件及び他工種との関係部位、特殊部分に関する事項
- 施工環境、施工制約に関する事項
- 材料費、労働災害防止対策、産業廃棄物処理等に係る元請下請間の費用負担区分に関する事項
は最低限明示する必要があり、さらに、具体的な内容が確定していない事項についてはその旨を明確に示すことも必要と考えられています。
元請業者は、施工条件が確定していない等の正当な理由がないにもかかわらず、下請業者に対して、これらの事項について具体的な提示をしない場合には建設業法第20条第3項に違反することになります。そもそも、これぐらいは情報を提示してもらわないと正確な見積もりなんてできないですよね(笑)
また、元請業者が見積りを依頼する際は、下請業者に対して工事の具体的な内容について、書面で提示すること、更に作業内容を明確にしておくと良いでしょう。
元請業者が設けなければならない見積もり期間
元請業者は、前述の見積条件と一緒に下記の「見積り期間」を設ける必要があります。
工事1件あたりの予定金額 | 必要な見積り期間 |
500万円未満 | 1日以上 |
500万円以上5,000万円未満 | 10日以上 |
5,000万円以上 | 15日以上 |
元請業者は、工事1件あたりの予定金額によって、下請業者が見積りをするために必要な期間として上記を設けなければなりません。
もちろん、これは最短期間として定められていますので、これ以上の期間を設けることは何の問題もありません。(法の趣旨からすれば十分に見積り期間を設ける方がいいです。)
これらの規定は、元請業者に対して適用されるものとなりますが、自社が下請業者であっても、さらに下請に出す場合には適用されます。ですので、建設工事を下請に出す際にはご注意を。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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