みなさんこんにちは!
埼玉県さいたま市の行政書士のくりはらです。
今回は、平成29年6月30日より施行された「経営業務の管理責任者」の要件の緩和についてに書いて行きたいと思います。
まずは経管の要件をおさらいしまーす。
※今回の改正の内容を反映しています。経管の要件から今回の改正までまとめて知りたい欲張りさんは一石二鳥なので読んでみたらイイよ!
経管要件はすでにご存じで、今回の改正だけわかればOK!なアナタはここから読み始めてみましょう!
改正の内容
経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)の一部拡大
いわゆる「準ずる地位」と呼ばれているアレです。
改正前と改正後の条文を比べてみましょう!
改正前:法人の場合は業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者、個人の場合は当該個人に次ぐ職制上の地位にある者
改正後:業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他店長、営業所長等営業上対外的に責任を有する地位に次ぐ職制上の地位にある者
改正前に比べてどんな地位かが若干明確になったのと、「営業上対外的に責任を有する地位」に次ぐ職制上の地位にある者と「営業上対外的に責任を有する地位」が加わったことが大きな点ですね。
とくに『「営業上対外的に責任を有する地位」に次ぐ職制上の地位』、この文言でいままでよりだいぶ射程が広くなるのではないかと考えています。営業所や支店なんかのNo.2にあたる地位の人まで含まれるイメージですね。(ある程度の決裁権が与えられている前提ではあるでしょうけれども。)
経験年数の3種類以上の合算評価の実施
経営業務の管理責任者要件として認められる経験は、以下の4種類があります。
- 許可を受けようとする建設業に関する経営管理経験
- 許可を受けようとする建設業以外に関する経営管理経験
- 執行役員等としての経営管理経験
- 準ずる地位での補佐経験
これまで、この4種類のうち2種類まで、経営業務の管理責任者としての経験年数を合算することが可能でしたが、改正後は上記4種類すべてを合算できるようになりました。
他業種における執行役員経験の追加
すでに平成28年6月1日より取締役等の役員だけでなく、「執行役員等」も経営業務の管理責任者になれるようにはなっていました。この「執行役員等」とは、「業務を執行する社員、取締役、執行役等に準ずる地位にある者で、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限移譲を受けた者」をいうとされています。
つまり、前提として「取締役会」があり、しかもその取締役会の決議によって「具体的な権限移譲を受けた者」である必要があります。
この「執行役員等」であれば、取締役として登記されていなくても執行役員等として5年以上経営業務を総合的に管理した経験があれば、経営業務管理責任者になることができます。
この執行役員等としての経験は平成28年6月1日以降から「建設業の許可を受けようとする業種に限り」認められていました。これに加えて平成29年6月30日からは「許可を受けようとする建設業以外に関する経営管理経験」でも認められることになりました。
この改正により、「執行役員等」でも通常の取締役等の役員経験と同様に扱われることになりました。
そして、次に説明しますが、「他業種における経営業務の管理責任者としての経験期間が6年に短縮された」ことによって、執行役員等としての経験も同様に「許可を受けようとする建設業以外の建設業の経験であれば6年以上」あれば認められるようになりました。
平たくまとめてみると
『執行役員等』の経営管理経験について
- 許可を受けようとする建設業に関する経営管理経験 :5年以上
- 許可を受けようとする建設業以外に関する経営管理経験:6年以上
これらに当てはまるようであれば経営業務の管理責任者要件を充足する、ということになります。
「許可を受けようとする建設業以外の建設業」での経験期間の「7年」を「6年」に短縮
これまで、経営業務の管理責任者としての経験は、「建設業の許可を受けようとする建設業」であれば5年以上の経験が、「許可を受けようとする建設業以外の建設業の経験」であれば7年以上必要でした。
今回の改正では、「許可を受けようとする建設業以外の建設業」での経験期間が「7年以上」から「6年以上」と1年短縮されることになりました。
まとめ
今日のまとめ!
- 補佐経験の範囲が拡大されたよ!
- 経験年数の合算がいっぱいできるようになったよ!
- 執行役員等も許可を受けようとする建設業以外の建設業の経験として認められるようになったよ!
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業での経験年数が6年に短縮されたよ!
というわけで、経営業務の管理責任者要件が緩和されたよ!という話題でした。
これまで、「7年だからあと〇年待ってね~」とかで泣いていた方や、経験年数が2種類までしか合算されずに経験年数が加算できなかった様な方には朗報だったかなと思います。
これは、何も新規許可取得に限った話ではなく、業種追加や事業承継・代替わり・事業譲渡に伴う経管の交代にも妥当します。
ですので、経管の経験年数でお悩みの方にはよかったんじゃないでしょうか。
経管の要件自体についておさらいしたい方は下よりどうぞ。