不利益取扱いの禁止【令和2年10月新設】

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こんにちは。埼玉県さいたま市中央区の建設手続行政書士、くりはらです。

今回は令和2年10月に改正された建設業法に新たに追加された条項の一つである「不利益取扱いの禁止」についての記事です。

基本的には、「元請負人は下請負人が元請負人に一定の法令違反があるとして国や公共団体へ通報をした場合に、元請負人はその通報をした下請負人に対して、不利益な取扱いをしてはいけない。」とするものです。

まずは条文を確認しましょう。

目次

建設業法第24条の5

以下が「不利益取扱いの禁止」についての条文です。

建設業法第24条の5(不利益取扱いの禁止)
元請負人は、当該元請負人についての第19条の3、第19条の4、第24条の3第1項、前条(第24条の4)又は次条第3項若しくは第4項の規定に違反があるとして下請負人が国土交通大臣等(当該元請負人が許可を受けた国土交通大臣又は都道府県知事をいう。)、公正取引委員会又は中小企業庁長官にその事実を通報したことを理由として、当該下請負人に対して、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない。

これだけだとさすがにわかりにくいので、条文を分解していきます。

建設業法第24条の5を分解する

建設業法第24条の5を要素ごとに分解すると以下のようになります。

  1. 元請負人は、元請負人について、
  2. 19条の3、4、24条の3第1項、24条の4、24条の6第3項又は第4項に違反があるとして
  3. 下請負人が国土交通大臣等、公正取引委員会又は中小企業庁長官のその事実を通報したことを理由として
  4. 当該下請負人に対して、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない。

とそもそも「元請負人」に対しての規定となっています。要約すると、「元請負人について建設業法の一定の事項に違反があるとして、国や公共団体へ下請負人が通報したことを理由として、その通報をした下請負人に対して取引停止や他の不利益な取扱いをしてはいけない。」とするもの、となります。

更に、条文に沿って詳細に書いていきます。

建設業法第24条の5では、元請負人は、元請負人について、「不当に低い請負代金の禁止(第19条の3)」、「不当な使用資材等の購入矯正の禁止(第19条の4)」、「下請代金の出来形払い(第24条の3第1項)」、「検査及び引渡しの期間(第24条の4)」、「割引困難な手形の交付の禁止(第24条の6第3項)」、「下請代金の遅延損害金(第24条の6第4項)」の規定に違反があるとして、国や公共団体(国土交通大臣等、公正取引委員会、中小企業庁長官)に通報したことを理由に、通報をした下請負人に対して、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない。とされていることとなります。

ここでいう「元請負人」とは、建設業法に規定があり、建設業法上の「元請負人」とは建設業法第2条第5項より、

この法律において「発注者」とは、建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者をいい、「元請負人」とは、下請契約における注文者で建設業者であるものをいい、「下請負人」とは、下請契約における請負人をいう。

と下請契約での注文者で建設業者であるもの、と定義されています。

さいごに

今回は、令和2年10月より改正された建設業法に新たに追加された建設業法第24条の5「不利益取扱いの禁止」について書いてきました。

また、この規定と併せて公正取引委員会の事務局長通達に「建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準」にも同じような定めがあるため、独占禁止法にも触れてしまうおそれがあるのでお気を付けください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

こんにちは!
行政書士のくりはらたかしと申します。
埼玉県さいたま市中央区に事務所があります。

埼玉県を中心に関東各地で建設業許可・経審・入札などの手続き代行やコンプライアンス対応を行っています。協同組合も対応可能です。

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