【建設業許可】財務諸表のつくりかた

こんにちは!
さいたま市中央区の行政書士、くりはらです。

今回は建設業許可申請・事業年度終了報告書(決算変更届)の作成で「はて?」と首をかしげてしまうことが多い、「財務諸表」の作成についてのお話しです。

財務諸表は、建設業許可の新規申請時や、建設業許可取得後の決算が終わり、事業年度終了報告書(決算変更届)でも必要になるため、毎年決算が終わるたびに作成し、役所へ提出しなければなりません。
僕もはじめてのときはいろいろと悩みながら、何日もかかってようやく完成させました。

今日はそんな「財務諸表」の作り方のコツ、大公開しちゃいます!

財務諸表の書き方

財務諸表って、ナニ?

そもそも財務諸表って一体何でしょうか?

 まずは、wikipediaさんから引用してみます。

財務諸表(ざいむしょひょう、financial statements)は、企業が利害関係者に対して一定期間の経営成績や財務状態等を明らかにするために複式簿記に基づき作成される書類である。日常用語としては、決算書(又は決算報告書)と呼ばれている。
-wikipedia:財務諸表『ウィキペディア(wikipedia):フリー百科事典』
最終更新:2017年6月8日(木)01:49 URL:https://ja.wikipedia.org/

 とのことです。平たくいえばいわゆる「決算書」のことのようです。厳密に分けると、税法・金融商品取引法・会社法などの法律により、それぞれ決算書・財務諸表・計算書類と呼ばれ、内容も「貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書」を中心にそれぞれの法律で必要となる書類は異なります。

 呼び方はいろいろとあるようですが、つまりは「会社の経営の成果や財務の内容を社内・社外に対して明らかにするために作成する書類」を法律ごとに様々な呼び方をしているということですね。

 では、建設業許可で必要とされている「財務諸表」には、どんな財務内容が求められているのでしょうか?

建設業許可用の財務諸表

まず、建設業法で求められる財務諸表の大きな特徴は、「原価」の報告を義務付けているところにあります。

建設工事は受注生産となるため、原価の管理がとても重要な意味を持ちます。原価管理をすることで、適正な工事価格の計算ができ、それを元に適正な経営を行うことができます。この「原価」を建設業法では「完成工事原価」とよび、材料費・外注費・労務費・経費と4つに分類して報告するよう義務付けています。 「完成工事原価」を報告することを法律で義務付けることで、建設業者の経営が適正に行われることを期待しているのだろうと考えられます。
自社の粗利を把握していない経営者はいないとは思いますが、法律上必要なものとすることで正確な数値を内部的にも対外的にも「見える化」していこう、みたいな意図でしょうか。

さて、建設業用の財務諸表は「建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類を定める件」というなんともややこしそうなものにしたがって作成しなければなりません。といっても、まったく新規に作成する必要はなく、税務申告時に作成した決算書・決算報告書を元に作成すればOKです。(作り方は後に書いていきます。)

 また、様式(用紙)は各都道府県の建設業担当のホームページからエクセルファイルがダウンロードできるので、気が向いたらググってみてください。

建設業許可用の財務諸表の書き方

基本

まず、基本はさっきもチラッと書きましたが、兼業(建設業以外の売上)のあるなしに関わらず、税務申告用の決算書から一部の勘定科目を建設業法規則の指定する様式に振替えたり転記したりして作成します。特に、税務申告・会計上の決算書で作成された「完成工事原価報告書」は材料費や外注費などの一部の科目だけが原価に計上されていたり、また、原価の計上を全くしないで販管費(いわゆる経費)に計上されているケースがありますので、決算書から勘定科目の振替えをする必要があります。

  記載方法については、建設業財務諸表では千円未満の数値を切り捨て、切り上げ、四捨五入のいずれかの方法に統一して端数処理をした金額を千円単位で記載していきます。途中で出てくる合計金額は、各科目の端数処理後の合計を記載するのではなく、円単位の合計金額を端数処理して記載します。

気をつけること

記載していくうえで、間違いやすいところや注意しなければならないところがあります。

  さきほども書きましたが、千円未満の端数を処理して記載するので、端数処理をした金額をそのまま計算すると合計金額は決算書とずれてしまいます。なので、端数処理をする前の合計金額を端数処理して記載する必要があります。この辺りは間違いやすいところかと思うので、気をつけていきましょう。

また、原価の内訳が外注費だけだったりすると、「一括下請負(工事の丸投げ)」を疑われることがあります。一括下請負は建設業法で禁止されているので法律違反にならないよう注意してください。

書き方のコツ

そんなに悩まなくてもいいんだよ・・・

財務諸表作成の順序

  1. 「貸借対照表」は「完成工事原価報告書」「兼業事業売上原価報告書」に関係ないので先に作ります。
  2. 工事に関わる「完成工事原価報告書」「兼業事業売上原価報告書(兼業があれば)」を作る。
  3. 損益計算書、株主資本変動計算書、注記表と作っていく。

特に、税務申告上の「損益計算書」で売上原価の科目を使わずに販売管理費で経理処理している場合には販売管理費から「完成工事原価報告書」・「兼業事業売上原価報告書」に仕訳する必要があるので、建設業用の損益計算書を作る前に完成工事原価報告書・兼業事業売上原価報告書を作成しないと損益計算書の数字が確定できなくなってしまうので、注意が必要です。先に損益計算書から作り始めると一生終わりませんよ。

まとめ

いかがだったでしょうか。

「財務諸表なんて、決算書から転記するだけだからカンタンカンタン」なんてタカをくくっているとあとあと泣きをみることになりかねません。(いつかの僕がそうでした。)
ですが、基本を押さえてから作ることで無駄がなくなり、かなり時間を短縮することができます。

 販売管理費から完成工事原価報告書をつくらなければならない場合、本来であれば仕訳日記帳を調べて、一個一個の仕訳みて、科目を振替えていくのが本筋なのでしょうが、そんなことはとてもじゃないけどできません。実際には、どの程度(何%)が原価なのかを把握して、販売管理費から振替えていくしかないかと思います。ただ、この方法で完成工事原価報告書を作る場合は、ある程度の根拠に基づいた割合の算出が必要でしょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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