こんにちは!埼玉県さいたま市中央区の建設手続行政書士、栗原です。
今回の記事は「国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)・若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)とは?」です。
経営事項審査には、いくつかの審査項目があることは本サイトでもお伝えしたとおりですが、このうち「その他の審査項目(社会性等)」いわゆる「W評点」は現在9項目にわけられています。
この記事はその「W評点」の一つである「防災活動への貢献の状況(W3)・法令遵守の状況(W4)」について書いていきます。
「経営事項審査(経審)の全体像」と「その他の審査項目(社会性等)W評点」については↓の記事をご参照ください。
国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)
「国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)」では、審査基準日において、国際標準化機構第9001号(ISO9001)または第14001号(ISO14001)の規格による登録を受けている場合に加点されます。
これにはいくつかの条件がありますので、箇条書きにしてみます。
- 審査基準日(一般的には決算日)に有効なISO9001・ISO14001の登録を受けていること。
- 公益財団法人日本適合性認定協会または日本適合性認定協会と相互認証している認定機関に認定されている審査登録機関によって、登録を受けていること。
- 認証範囲に「建設業」が含まれていること。
- 会社単位で取得していない場合、建設業許可のある本店・支店すべてで登録を受けていること。
国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)の点数
「国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)」の点数は、ISO9001とISO14001どちらか、または両方持っている場合に以下の表に応じて加点されます。
国際標準化機構が定めた規格による登録の状況 | 点数 |
ISO9001+ISO14001の両方の登録あり | 100 |
ISO9001の登録あり | 50 |
ISO14001の登録あり | 50 |
この表に対応する点数に0.95を掛けることでW評点を出し、最終的にW1~W9までの合計に0.15を掛けることでP点を算出します。
若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)
「若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)」では、審査基準日時点で満35歳未満の技術職員の在籍状況によって加点されます。
具体的には
- 技術職員名簿に記載されている満35歳未満の技術職員の人数が技術職員名簿全体の15%以上であること。
- 審査対象の事業年度に新たに記載された満35歳未満の技術職員の人数が技術職員名簿全体の1%以上であること。
のどちらか、または両方に該当する場合に加点されます。
若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)の点数
「若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)」の点数は以下の表に応じて加点されます。
若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況 | 点数 |
満35歳未満の技術職員の人数が技術職員名簿全体の15%以上 | 10 |
今回の経営事項審査の対象となる事業年度に新たに記載された満35歳未満の技術職員の人数が技術職員名簿全体の1%以上であること | 10 |
この表に対応する点数の合計に0.95を掛けることでW評点を出し、最終的にW1~W9までの合計に0.15を掛けることでP点を算出します。
さいごに
今回は「国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)・若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)とは?」について書いてきました。
- 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)の条件
- 若年の技術者及び技能労働者の育成および確保の状況(W9)の条件
をそれぞれ解説してきました。
これらの項目では、ISOを取っていなかったり、35歳未満の技術職員さんがいらっしゃらない、といっても減点はありません。
しかし、コンプライアンスや安心・安全を求める社会情勢や、企業として安定的に成長していくためには重要な項目となっています。
自社に少しでも余裕があるうちに、これらの加点がつくよう検討されてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。